東林跡遺跡
初富803他
東林跡遺跡(ひがしはやしあといせき)

東林跡遺跡は初富の第五中学校建設時に調査された旧石器時代の遺跡で、市内で発見されている最古の遺跡のひとつである。当時は氷河期の終わり頃にあたり、平均気温が今より5、6度低く、鎌ケ谷市周辺の様子は草原や針葉樹の林が広がっていたようある。土器の使用は始まっておらず、発見されるのは石器だけである。旧石器時代遺跡の調査では石器や石器の製作途上に生じる剥片(フレイク)、石くず(チップ)が集中して出土することが多く見られ、このような遺物集中出土地点を「ブロック」などと呼ぶ。
東林跡遺跡の主体となる「ブロック」は17ヶ所発見されている。旧石器時代は狩りが中心の移動生活で、住まいは簡易テントのようなものであったと考えられており、これらの「ブロック」は当時の人々の行動を推測できる数少ない手がかりとなる。また、これらの「ブロック」は2万5千~2万9千年前に大噴火したと推定されている、九州の鹿児島湾付近にあった姶良カルデラを噴出源とする姶良Tn火山灰より下の地層で確認されていることから、この遺跡はそれ以前に形成されたものと推測される。
写真は槍の先や物を切るために使われたと考えられるナイフ形石器等である。