中沢貝塚

東中沢2-10 他

中沢貝塚(なかざわかいづか)

中沢貝塚の出土品の画像

 貝柄山公園西側の台地上にある直径約130メートルの馬蹄型貝塚で、市内では最も大きく、県内でも規模・内容とも有数の貝塚である。昭和30年代後半から20次以上の調査を行った結果、多数の住居跡が発見されている。また、出土品として大量の土器・石器の他、土偶をはじめとする特殊な遺物も数多く出土している。土偶などは祭祀に使われていたと考えられており、精神生活も豊かで多様であったことがうかがえる。貝層からは動物の骨なども多数発見されているため、海産資源の活用とともに狩りも盛んに行われていたことがわかる。石器では弓矢の先に付けられた石鏃のほか、打製石斧、磨製石斧、石皿、磨石等も数多く出土しており、土の掘り起こしや木の伐採(打製石斧・磨製石斧)や、木の実などの採集(石皿・磨石による木の実の皮むき、磨りつぶし)もしていたことがうかがえる。なお、この遺跡が形成されたのは、発見された遺物などから縄文時代後期(約4千~3千年前)を中心に、中期から晩期(約5千~2千3百年前)に及ぶと推測される。
 写真は中沢貝塚から出土した土偶である。土偶は豊穣や病気の回復を祈るまじないに使われたと考えられ、壊れた状態で出土するものがほとんどである。下段右側の人面土器は土器の内側に人の顔が表現された珍しいものである。

地図情報

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